求人票に「時給6,000円」と書いてある店に入って、実際にもらえたのは1日1万8千円だった。

6時間出勤したのに、時給6,000円なら36,000円のはずです。

これが起きる理由の多くが、待機カットです。

待機カットとは

席に入っていない時間を、給与計算から外す仕組みです。

出勤して6時間店にいても、お客様の席に座っていたのが3時間なら、3時間分しか支給されません。残りの3時間は、店にいてもゼロです。

時給6,000円 × 3時間 = 18,000円。表示は6,000円ですが、実質の時給は3,000円になります。

これは違法ではありません。業務委託契約として働く場合、稼働していない時間に報酬を払わないという取り決め自体は成立します。(労働者として雇用されている場合は、待機時間も労働時間にあたるとされるのが原則です。契約の形を確認してください。)

問題は違法かどうかではなく、求人票の時給が、そのまま収入を意味しないことです。

なぜ求人票では分からないのか

「待機カットあり」とは、まず書かれません。

書けば応募が減るからです。一方で「待機カットなし」はわざわざ書かれます。アピールになるからです。

つまり——

書いていない店舗は、あると思って確認してください。

これが実務上の読み方です。求人サイトの絞り込み条件に「待機カットなし」という項目が存在すること自体が、ある店舗が一定数ある証拠です。

どのくらい効くのか

条件を並べると、時給の差より大きいことが分かります。

A店B店
表示時給6,000円4,500円
待機カットありなし
6時間出勤で席に3時間18,000円27,000円

表示時給が1,500円低いB店のほうが、9,000円多くなります。

しかもこれは1日です。週4日で月16日なら、月に14万4千円の差になります。

「時給の高い店を選ぶ」という判断が、そのまま収入につながらないのはこのためです。

特に効いてくる人

待機カットの影響は、全員に同じようには出ません。

影響が大きい人

  • 未経験・入店直後の方 — 指名がまだなく、席に入れない時間が長い
  • 北新地で始めた方 — 北新地はリピーターの街でフリーのお客様が少なく、指名がつくまで席が回ってきません。<a href="blog-osaka-jikyu-souba.html">時給相場の記事</a>でも書いた通り、ここが北新地の構造です
  • 平日や、その店が暇な曜日に出勤する方

影響が小さい人

  • 本指名が安定していて、出勤すればほぼ席に入る方

つまり立ち上がりの時期に一番きつく効きます。そして辞める人が一番多いのも、その時期です。

「思ったより稼げない」と言って1か月で辞めるケースの一定数は、能力ではなくこの仕組みを知らずに店を選んだことが原因です。

ここまで読んで、自分の場合はどうなのかが気になった方へ。

質問だけでも構いません。しつこい勧誘はしません。

面接での聞き方

聞きにくい、と思うかもしれません。ですがこれは当然の確認事項です。聞いて不機嫌になる店舗は、その時点で情報になります。

聞く言葉

「待機の時間も時給はつきますか?」

これで通じます。専門用語を使う必要はありません。

「なし」と言われたら、もう一段

「出勤してから帰るまで、全部の時間に時給がつくという理解で合っていますか?」

念のための確認です。「待機カットはないが、出勤から最初の1時間は対象外」といった変則的な運用がある場合、ここで出てきます。

「あり」と言われたら

断る必要はありません。数え方を聞いてください。

  • 待機時間はどう計測するのか(黒服の判断か、記録があるか)
  • ヘルプで席に入った時間は、席に入った扱いになるか
  • 最低保証はあるか(「1日最低◯時間分は保証」という店舗もあります)

ここまで聞いて答えが曖昧なら、入店後も曖昧に運用されます。

給与明細で確認してください

体験入店をしたら、その日の支給額を時間で割ってください。

6時間いて18,000円なら、時給3,000円です。面接で聞いた額と違うなら、その場で理由を確認します。

体入の日は、条件を確認する日です。お金をもらう日ではありません。ここで聞かずに本入店すると、聞くタイミングを失います。

私がやっていること

取扱店舗のページに、待機カットの有無を載せるようにしました。

ただし、確認できていない店舗は空欄にしています。推測で「なし」と書くほうが、応募は増えるかもしれません。ですが入店後に違っていたら、それは<a href="blog-kyujin-jouken-uso.html">求人サイトの条件と同じこと</a>をしているだけです。

書いていない項目は、面談のときに私から店舗に確認します。

そして面接に同行する場合、この項目は必ずこちらから聞いて、文面で残します。一人で聞きにくい代表的な項目だからです。

まとめ

  • 待機カットは、席に入っていない時間を給与計算から外す仕組み
  • 表示時給が高くても、実質の時給は半分になることがある
  • 求人票には書かれない。「なし」だけが書かれる
  • 未経験・北新地・暇な曜日に出る人ほど影響が大きい
  • 面接では「待機の時間も時給はつきますか」と聞けばよい
  • 「あり」なら、時間の数え方と最低保証を確認する

時給の数字を比べる前に、まずここです。

条件の見方が分からない、聞きにくい、という方は公式LINEからそのまま送ってください。特定の店舗名を挙げていただければ、こちらで分かる範囲をお伝えします。

<a href="glossary.html">水商売の用語集</a>/<a href="blog-kyujin-jouken-uso.html">求人サイトの条件に騙されるな</a>/<a href="shops.html">取扱店舗の一覧</a>/<a href="shindan.html">時給診断(1分・登録不要)</a>

待機カット時給求人条件面接ナイトワーク

← 前の記事夜職でも賃貸は借りられる?|入居審査に落ちる理由と、通すために実際にできること次の記事 →紹介した人が3日で辞めました|私の見立てが外れた話